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オトノサマペンギン

オトノサマペンギン

ペンギン目ペンギン科キングペンギン属

SPHENISCIFORMES Sphenscidae Aptenodytes coronbaslissa

学名の「コロンバシリッサ」は雌鳥の容姿と生態からギリシア語で「王妃の冠」の意の合成語。和名「お殿様ペンギン」は雄鳥の姿が江戸時代の殿様に似ることに由来する。またその生態から「大奥ペンギン」の別名を持つ。 雌雄ともに、髷のような冠や背中からフリッパー(両翼)にかけての色鮮やかな羽毛、首の回りと下腹部の癖毛、表面が白く薄い膜でおおわれた足など、和装のような容姿を具える。 ペンギン目の多くはコロニーを作り生活するが、この種は一羽の雄を中心に群れを形成する。リーダーの雄は若い雄を連れて海に餌を狩りに行く。他のペンギンが見劣りするほど切れ味のある鋭い泳ぎで魚やイカ、エビなどを捕る。陸に残った雌鳥たちも一番美しい冠の雌鳥に従い、木の実や虫などを獲ったり子育てをしたりする。大変興味深いことに、陸の上では雄たちも雌のリーダーに従う。ただし、彼らは、蟻や蜂、ハダカデバネズミのような女王を中心とした真社会性の群れとは異なり、むしろ江戸時代の大奥を想わせる社会である。 通常、ペンギンは水中で奪われる熱を減らすために嘴で尾羽の付け根にある皮脂腺から脂を掬い取って羽の表面に塗りつけるが、オトノサマペンギンの脂は、オレイン酸を多く含み椿油の成分と大変よく似ているため、近年、化粧品や整髪料として注目を浴びている。

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