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コマコマ(独楽駒)
奇蹄目ウマ科ウマ属
PERISSODACTYLA Equidae Equus turbinis
和名の「独楽駒」は、外観が玩具の独楽に似ていることに由来。学名「エクウストゥルビニス」は「独楽(もしくは混乱)の馬」の意。 背中の突起(角)は、同目のサイの角と同様に、たくさんの毛が集まって硬質化したもの。胴体は、上から見るとほぼ円で、脇から脚に向かって円錐状にすぼまる。背中には同心円もしくは螺旋状の鮮やかな縞模様をもつ。たてがみはコマ回し用の紐に似ていて、頭部から背に向かい、突起を一周するようにして、そのまま尾へとつながっている。脇の下から爪先には木目状の縞模様がある。角と縞模様はそれぞれ、ユニコーン(一角獣)とシマウマの特徴であり、学名に「混乱」の意が含まれるのもうなずける。 民家に棲息することが多く、日中はおもちゃ箱などに隠れている。夜になると、貯蔵されている野菜や残飯などを食べる。畳を食いちぎって食べてしまうこともある。 移動方法も特異で、四肢を身体の中心に寄せて軸にし、頭を振り子にして回転させ、独楽の様に移動する。三半規管が非常に発達しているので、止まった後もすぐさま普段通りの生活ができる。 体高は7cm~30cm。脇腹の皮膚は金属や木のように硬く回転している状態でぶつかると、かなりの衝撃である。繁殖期にはオス同士がメスを奪い合うためにぶつかり合ったり、敵に出会った個体が攻撃を仕掛ける姿が観察される。この種は、胴体を円形に進化させることにより、小さな身体を自然界では少ない回転という運動で守り、玩具に擬態して室内に隠れ住むのに都合が良いという二つの利点を得たといえる。
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