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ツケバナメガネザル

ツケバナメガネザル

霊長目メガネザル科メガネザル属

PRIMATES Tarsiidae Tarsius rostrum

 両瞼の周りと鼻梁の上部に眼鏡をかけているような角質の瘤があり、鼻から上唇の部分がヒトの鼻の形に似た嘴状である。その様子が、鼻の付いた眼鏡の玩具、いわゆるグルーチョ眼鏡を連想させることから和名<ツケバナメガネザル>、英名<グラウチョタルシアー>と呼ばれる。なお、種名<ロストルム>は「嘴」の意のラテン語。 目の周りの瘤の上部には眉毛をおもわせる模様があるが、雄にはさらに下唇の下に髭のような模様がある。また、雄は尾の先が杖の柄のような形状だが、雌は小さなポンポン状である。 草木の多い公園などに棲み、他のメガネザルと同様に後肢の優れた跳躍力によって木から木へと移動して、主に樹上で生活する。昆虫やクモ、トカゲ、陸棲の貝などを食べる。  解剖学・人類学者のウッド・ジョーンズ(英1879-1954)は、その著書『人間の起源に関する問題』(1918)の中で、メガネザルこそ人類の直系の先祖であると早くから主張したが、後にメガネザルと近縁の<テトニウス・ホムンクルス>の化石が発見されたことにより、メガネザルの祖先から高等なサルに進化したとする説はさらに強化された。今後、この<ツケバナメガネザル>の研究が進む過程で、新たな発見のある事が期待されている。

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