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ブンブクチャガマ(分福茶釜)

ブンブクチャガマ(分福茶釜)

食肉目イヌ科タヌキ属

CARNIVORA Canidae Nictereutes morinjiensis

胴から腰に掛けて、上から見ると円形の筒状の胴部をもつ食肉目イヌ科のタヌキの一種。背中にはひとまわり小さな円筒状の瘤が重なっており、更にその上につまみの様な突起がある。また、両脇上部に環状の突起をもつものもいる。円筒部分と瘤の皮膚は無毛で、鉄または銅に近い金属質であり、擬態と外敵から身を守る殻のような役割を持つ。成体には、表面が錆に覆われているような個体もいる。  和名は「ブンブクチャガマ」。茶の湯などで湯を沸かす釜から頭と手足、尾を出している様な姿が、室町時代の終わりに成立したとされる物語「分福茶釜」に登場する、茶釜に化けたタヌキに似ている事に由来する。種名「モリンジエンシス」は「分福茶釜」のモデルとなった、いくら汲んでも湯が尽きず福を分け与えると言われた茶釜を愛用した僧侶 守鶴(14c末-15c前)が仕えた、群馬県館林市にある古刹・茂林寺より。  寺や茶室などに棲み、茶道具などに紛れて生活する。雑食性。屋外で木の実や小動物、虫なども食べるが、お茶席で出されるはずの菓子や食事を食べてしまうことも多い。器用に一人分ずつ食べていくことで始めから無かったように思わせる(化かす)。また、小さな金属片を食べたり、錆を舐めたり歯で削って食べる。錆は体内で還元(酸化物に水素を加える、又は酸素を奪う)して、食べて吸収した金属成分と同様、胴・胸部の皮脂腺より表皮に分泌され外殻として結晶化する。妊娠中は子ダヌキの外殻形成のため、特に金属片の摂取が著しい。

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