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マルマヌル

マルマヌル

食肉目ネコ科マヌルネコ属

CANIVORA Felidae Otocolobus manuluppiter

学名の<マヌルッピテル>は、モンゴル語で「小さい野生ネコ」の意の「マヌル」と、「木星」を意味するラテン語「ユッピテル」の合成。体形が球状で、体毛色が木星を連想させることから。  モンゴルからロシア域に生息するマヌルネコは、冬の間に蓄えた脂肪と長い冬毛で、ぬいぐるみのように丸くなり夏場は逆に痩せて細身になるが、本種は季節に影響されることなく、骨格から体が丸い。頭部も身体に一体化し、前後肢と尾を除くとほぼ球体である。  河川の中流域に生息し、身体の丸みを活かして石に擬態しながら、小鳥やカワラバッタなどの昆虫を狩る。空気をよく含む毛足の長い体毛は防寒にも優れており、台風や川の増水時には水に浮くが、泳ぎは下手で自ら好んで水に入ることはなく、したがって魚類の狩りはしない。冬はタヌキのように民家近くまで食べ物を探しに来ることもある。外見の可愛さから餌付けされ、そのまま飼育されることもあるが、気性は荒い。鳴き声はヘリウムガスを吸ったような特徴的な声。  昨今、SNS上では、マヌルネコの顔の中に「カワウソがいる」と話題になったが、本種は鼻先の左右、その「カワウソ」模様の目に当たる部分に黒子状の突起がある。この突起には臭腺があり、他のネコ科の種と異なり、河原の木や石などに擦り付けマーキングする。

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