中国の黄河中流の急流に棲む。頭部に１本から数本の骨質の角を持ち、その姿が想像上の生物「龍」を想わせることから、学名<カラシウス・アウラドラコニス>(ラテン語の合成語で「龍の金魚」の意)と名付けられる。和名<龍金>もこれに準ずる。角がシカの角に似ることから、英名<ディアー・フィッシュ>。金魚に近い種で、出目や肉瘤などをつけたユニークな姿のものも数多い。丸々とした体や瘤などで泳ぎに適していない容姿のものも、大変勘が鋭く急流の波を読み優雅に泳ぐ。この魚が棲む中国の黄河中流には「龍門」と呼ばれる場所があり、「龍門」を登ったコイが龍になるという伝説がある。この話から立身出世の関門を「登竜門」と呼んでいるが、「龍門」辺りを自由に泳ぐこの魚を見た現地の人は、龍になったコイの中でも特に優秀なものが河に棲んでいた昔を懐かしんで、魚の姿に化けて遊んでいるに違いないと考え神聖視している。